舞台「鬼滅の刃」其の弐 絆(キメステ)感想

『舞台「鬼滅の刃」其の弍 絆(キメステ)』の感想です。

 

感想メモを自分のスマホの中で完結させるのが惜しいのと、このご時世で人と気軽に語り合えないのとで、ブログに感想をまとめることにしました。

 

キメステ2作目、絶対に初日(銀河劇場)行きたい!と思ってチケ取ってたんですが、トーキョーの新型コロナ蔓延がどえらいことになっていたので流石に自粛。

初日は配信で見守り、大阪公演のみ現場に通うことになりました。

 

ちなみに鬼滅の刃はTVアニメ版を1回履修しただけなので、キャラとストーリーへの理解は浅いです。見当違いなこと言っててもニワカの戯言として許してください。

 

さて前置きが長くなりましたが、以下感想です。

筆者の都合により無惨様の感想多めです。

 

【導入】

まず冒頭の曲がめちゃくちゃ良いんですよね。この曲といい残酷謡といい、妖しさと暗さがあってコーラスの入った曲がこの舞台にはめちゃくちゃ合います。

ここでウーン曲が好きだ……と思っているとすぐに無惨様が出てくるのでいつも焦ってしまう。

 

今回の開幕無惨様は初演とは違って動きもなく静かに佇んでいて、途中で炭治郎に視線を移してジッ……と見て去るという流れでした。

私は佐々木さんの視線の動かし方がとても好きなんですが、無惨様は背を向けて去るときに視線とか顔をちょっと残しがちじゃないですか、あれがすごく刺さります。

このシーンは特に炭治郎にガン飛ばして去るために露骨に視線残してくれて、私は大喜びしました。

 

導入部大好きなのでもうちょっとだけ語らせて欲しいんですが、この曲の最後、転調してからのところ(大サビ的な?)もめちゃくちゃいいんですよね。

糸を手繰る動きの母蜘蛛と、それに操られて踊る鬼殺隊員、母蜘蛛を照らす毒々しい感じの照明、盛り上がる音楽と歌。とんでもなくワクワクしました。導入として大正解すぎる。

 

【OP(キャスパレ)】

すえみつさんといえばかっこいいOPみたいなところありますよね。今回も素敵なOPありがとうございました。

私はあまり好きではない演出の一つとして、映像演出で実写の人物を出すっていうのがあるんですが、今回のOPは文字だけだったのでシンプルにかっこよかったです。そういえば名前の表示もキャラクター名だけでしたね。

今回、柱が全員揃っている上にアンサンブルも10名という結構な大所帯、しかも歌がお上手な方がたくさんだったので、斉唱すると厚みがあって迫力満点でした。

あと、無惨様を柱たちが囲んで刀を抜くところがすごくジャンプっぽくてかっこええ~と思ってました。

TVアニメ版より先の展開は知らないんですが劇場版で煉獄さんが死ぬのは知っているので、恐らくこういうシーンは原作に無いんですよね?だとしたらこれ、原作のオタクはめちゃくちゃ胸熱だったでしょうね……。

 

あと大阪初日、このご時世に無事に開幕した上に大阪まで来られたことが嬉しすぎて胸がいっぱいになり、このあたりで早々に泣きました。

 

【1幕】

唐突に操られているアンサンブル隊員が歌い出した時はちょっと驚きました。

私はミュージカル大好き女なので舞台は基本歌アリの方が好きなんですが、そんな私でも「急に歌い出した⁉︎」って思うところが今回は何か所かありましたね……。

 

大好きだったのが累くんと炭治郎の最初の戦闘シーン。

蜘蛛の糸を表現する白いレーザーがめちゃくちゃかっこよかったです。シャキーンという効果音とレーザーの鋭い光で、「鋼のように硬い糸」を効果的に表現してるなあと感じました。

そしてここのシーンの曲も好きです。累くんの歌声と曲調がハマってた。

にちかくんを舞台で見るのはテニミュ(全国立海)ぶりだったんですが、ちょっと見ない間にかなり歌が上達してる気がしました。若者の伸び率すごい……。

 

あと、累くんが成仏(?)する時の歌も好きでした。「俺は何がしたかった どうやってももう手に入らない絆を求めて~」あたりのメロディーラインがハチャメチャに好みです。

さらにこのシーンの照明がまたすごい刺さったんですよね……「温かい日の光の様な優しい手~」のあたりでそれまでと温度の違う白いナナメサス(日の光を表現)が入るんですよ…私の語彙ではこんな説明しかできん……残念……。

 

そういえばストレートヘア無惨様、この数十秒のためだけにウィッグとお衣装ご用意されたんですか!?って初日にとてもたまげました。

あのシーンは白帽子無惨様で代用(?)するもんだと思ってたので……。3パターンの無惨様を拝ませてくれてありがとうございます。贅沢すぎる。

 

それからしのぶさん役の門山さん、陰陽師でも拝見していてお歌が上手いことは存じていたので、初めましての人が歌うまーい!ってなってるのを見てなぜか私がドヤ顔しました。せやろ…歌上手いんやで……。

 

【2幕】

柱合会議のとこ、一人一節ずつ歌うような紹介ソングがあるもんだと思ってたんですよ。キャスト的にも歌わせる布陣だ!と勝手に思い込んでいたので、無くてちょっとびっくりしました。

でもあの柱紹介の曲自体は癖になる感じのメロディーで好きです。

なんだか十二鬼月紹介ソングと対になってる感じでそこも面白いなって勝手に思ってました。「♪炎柱、岩柱、音柱、恋柱、霞柱~」と「♪上弦の壱、弐、参、肆、伍、陸~」の数え歌っぽい雰囲気というか構成というかそういうのが。

 

そして柱合会議とは逆に、蝶屋敷でまさかあんなに歌うと思ってませんでした。

さすがに何回も見ると慣れてきますが、初見時は歌めっちゃ続くやん、と思いましたね。

個人的にキメステで映えるのは感情とかそのキャラクターを表現するための歌だと思うので、歌での説明が続きすぎるとメリハリがなくなっちゃって、そこがちょっともったいない気がしました。

 

とはいえ明るい挿入歌は楽しいです。蝶屋敷の女の子たちによる症状説明のアイドルっぽい曲とか、善逸のデスメタルとか、全集中常中の歌とか、曲自体はどれも好きでした!

個人的には全集中常中の歌の「頑張れ!頑張ることしかできないんだから俺は昔から」ってとこ、炭治郎というか小林くんの一生懸命さと相まってすごいグッとくるんですよね…。

 

あと、今作でもっと歌を聴かせておくれ…と思ったのがカナヲちゃんでした!歌声がすごく好みなのでもっと長い曲で聴きたい。

カナヲちゃんの歌唱シーン、炭治郎が何話しかけても「さよなら」って歌い続けるの、会話が成立してない表現として好きです。

で、そこからの炭治郎の頑張れの歌の流れもいいですよね~あんなガッと手握って真っ直ぐにがんばれ!されたら、そりゃまあ照明もピンクになりますわ。

 

そしてパワハラミュージカル下弦解体ショー。佐々木さんが無惨様やるよって聞いてアニメを履修した時からこれが見たかった。

初演での無惨様の扱いを見た時から、間違いなくここはミュージカル的見せ場をご用意される!と確信していましたが、ご本人と制作サイドから「ほらこれが見たかっただろ」って感じでめちゃくちゃ期待以上のものを投げつけられたので、私は成仏しました。

 

佐々木さんは体格はしっかりめだし身長もそれなりにあるので、女無惨様、どこからどう見ても女性にしか見えない!という訳ではなかったはずなんですが、強烈な美しさと妖艶さで殴られてそんなことどうでもよくなるんですよね……。

暴力的な説得力によって、なるほど女性の姿をした美しい生き物!性別を超越した存在!って納得させられました。

去り際(「もっと血を分けてやる」)の笑みとか、嫣然って単語はこういう時に使うんだなあと思いました……。平伏するしかないです。

 

お衣裳の扱いも良かったですね。

数多のヒラヒラ布やロング布を纏ってきた男なので裾の長い衣裳の捌きが上手いのは分かっていますが、それにしても上手いこと振り向くな〜と感心しておりました。

そして、お袖の扱いが個人的には刺さりました。パワハラ中もEDの歌唱中も結構腕を上げたり前に突き出したりしてましたが、肘まで見えちゃうような動きはしないんですよね。なるほど大人の女の振る舞いだ……と勝手に感動しておりました。

 

あと、無惨様の怒りレベルが日に日に増しててめちゃくちゃ怖くなってたのもすごいなあと。

初日の配信のときは「おお怖~」くらいの感じで見てたんですが、大阪楽あたりはほんとブチ切れ遊ばしてるという表現が相応しい感じの怒り具合で、「えっ怖……」ってなりましたね。まあ配信と生との違いもありますが……。

 

【ED】

すえみつさんなのでOP同様EDがかっこいい演出になるのは間違いないのですが、前作より今作の方が好みですね〜。

前作はアンサンブルさんからお辞儀始まって最後が竈門兄妹、その一つ前が無惨様だったので、

無惨様お辞儀→背を向けて去る→竈門兄妹お辞儀→去ろうとしてた無惨様が戻ってくる→全員歌唱 

って流れになってて、無惨様が「一回去ったけど竈門兄妹に見せ場渡したくなくて戻ってきた」みたいになってるなあと思ってたんですよね。

でも今回は竈門兄妹からお辞儀始まって、アンサンブルさん経由して累くん、お館様まで進んでから全員一旦舞台上から去ったので、

舞台上に女無惨様一人の状態でご挨拶→全員出てくる(無惨に対峙する構え)→全員歌唱

って流れですごくナチュラルでした。ラスボスとそれに挑む人々って構図、やっぱりかっこいいので何回みても飽きない。手を変え品を変えいろんなパターンで見たい。

 

以上、偏った感想でした。

 

今回、配信で内容をしっかり見てから現地で観劇という流れを初めてやったんですが、やっぱり現地での観劇に勝るものはないですね。

今作は凝った感じの照明が多かったので、よりそう感じたように思います。

特にOPED(残酷謡)のイントロ?「血は匂い~残酷が立ち込めん」のあとのコーラス部分の照明。

上手下手の花道に置かれた灯体が、舞台上ではなくて前方列の客席上あたりを狙って赤く照らしてる(ように見えた)んですが、それがすごく空気と空間を染めてるなあと思ったんですよね。

あれを見たときに、やっぱり舞台は生じゃなきゃダメだ!!!と強く感じました。

 

そして生だろうが配信だろうが関係なく、佐々木無惨様はほんとハマり役ですね。

個人的に、総合的な観点でいちばん好きだった役はミュージカル陰陽師の黒晴明様なんですが、無惨様はあの少ない出番でそれを越える満足感があります。初日と千秋楽のパワハラ会議とOPED部分は連日配信が擦り切れる(?)くらい見ました。

円盤の発売が半年後なの本当につらいです。.5の円盤って4か月くらいで出るイメージなんですが……なんかチェックとかいろいろあるんですかね。前作も半年くらいかかってましたもんね。

バクステでお着物の裾誰かに持ってもらって舞台に登る無惨様が見たいので、編集の担当の方よろしくお願いします。

 

また思い出したら都度追加するかもしれませんが、一旦はこれくらいで。